調査士・調査士制度
土地家屋調査士とは、昭和25年7月31日法律第228号により制定された「土地家屋調査士法」に基づき、他人の依頼を受けて、不動産の表示に関する登記につき必要な土地又は家屋に関する調査、測量、申請手続又は審査請求の手続をすることを業とする。と厳格に規定されており、その際調査士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければなりません。
この目的は、これら業務の適正を図ることにより、不動産の表示に関する登記手続の円滑な実施に資し、もって不動産に係る国民の権利の明確化に寄与することです。

太字の解説

他人:個人・法人・官公署を問わない。

不動産の表示に関する登記:法務局(登記所)に登記されている、不動産(土地と建物)の登記用紙(記録)、いわゆる「登記簿」 の【表題部】(土地の場合、【所在】・【@地番】・【A地目】・【B地積】・【原因及びその日付】・【登記の日付】で、建物の場合、【所在】・【家屋番号】・【@種類】・【A構造】・【B床面積】・【原因及びその日付】・【登記の日付】です。又、【甲区】の所有権、【乙区】の所有権以外(抵当権等)に関する登記がない場合(新しく登記用紙(記録)を設ける場合の、土地又は建物表示登記)には、【所有者】も登記されます。)の物理的状況を登記簿に掲載する登記のことを言います。

審査請求:審査請求とは、不動産登記法第152条で「登記官の処分を不当とする者は監督法務局又は地方法務局の長に審査請求を為すことを得」と規定されていますが、調査士以外にも、「ただし、弁護士又は弁護士法人が審査請求の手続をする場合は、この限りでない。」と「土地家屋調査士法」で規定があります。

法令及び実務に精通:民法・不動産登記法・不動産登記法施行細則・不動産登記事務取扱手続準則・土地家屋調査士法・土地家屋調査士法施行細則・不動産登記関係先例・建物の区分所有等に関する法律・登録免許税法・測量法・建築基準法・国土調査法等々及び法務省不動産登記法第17条地図作製作業規定・各法務局の不動産表示登記事務取扱要領・調査士会連合会の調査・測量実施要領・各単位会の土地家屋調査士会会則及び調査士会連合会会則等々です。
このほかにも、平成15年8月1日から施行された司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律(平成14年5月7日法律第33号)の第25条第1項で、「調査士は、その所属する調査士会及び調査士会連合会が実施する研修を受け、その資質の向上を図るように努めなければならない。」とされ、同条第2項で、「調査士は、その業務を行う地域における土地の境界を明らかにするための方法に関する習慣その他調査士の業務についての知識を深めるよう努めなければならない。」と他の隣接法律専門職種にはない。言い換えれば、調査士業務のもつ特殊性・公共性を確保するが故の規定があります。

公正かつ誠実:依頼人等に対して有利な、又、利益相反する隣接所有者等と言った利害関係人に不利益な境界確定の手法・登記手続等をした場合、先に述べたとおり、平成15年8月1日から施行された司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律(平成14年5月7日法律第33号)の第44条第1項で、懲戒の手続として、「何人も、調査士又は調査士法人にこの法律又はこの法律に基づく命令に違反する事実があると思料するときは、当該調査士又は調査士法人の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に対し、当該事実を通知し、適当な措置をとることを求めることができる。」とされ、又、同第54条では、「調査士会は、所属の会員の業務に関する紛議につき、当該会員又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができる。」とし、同第56条では、「調査士会は、所属の会員がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反するおそれがあると認めるときは、会則の定めるところにより、当該会員に対して、注意を促し、又は必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。」と規定され、更に同第69条〜第77条の罰則規定の強化もされました。

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